UPFの6つの分野のプロジェクトの1つである国際平和言論人協会(IMAP)米国は3月28日、「公の場における市民性を高めるためのメディアの役割」と題してウェビナーを開催しました。社会における政治的分断が進む今日、私たちは左翼と右翼、宗教的価値観と世俗的な世界観の間にある溝をどう埋めるかが求められています。今回のウェビナーでは、メディア分野における第一人者とも言える2人の専門家を通して、このトピックについて議論しました。
米国の非営利団体である「ディグニティ・インデックス」は、分裂を緩和し、政治的対話を推進することを目的とした団体。ウェビナーでは、同団体のユタ州支部でデモンストレーション・プロジェクトのリーダーを務めるタミ・パイファー氏が、厳しい政治の世界に初めて足を踏み入れた際の成功事例と教訓を紹介しました。
パイファー氏は、ソーシャルメディアが普及する一方で偏向的なニュースが蔓延する中、米国人の意見の違いが、怒りの感情を売りにする新興メディアによって、危険なほど「部族化している」とコメントしました。バイファー氏はさらに、こうした状況下で反対意見はもはや許容されないと強調し、このような緊張が個人的な関係を悪化させ、政治を蝕み、民主主義を危機に陥れていると述べました。
続いて、国際平和学術協会(IAAP)インターナショナル共同コーディネーターのトーマス・セローバー氏が発言。現在の米国では、赤い州(共和党)と青い州(民主党)に分かれ、互いが対立していると見られているが、実際にはどの州にもさまざまな政治的意見を持つ人々がいることを説明。セローバー氏は、サッカーの試合をヒントに、左翼と右翼が協力して中央を支えることが、政治対話のモデルとしてより成功するのではないかと述べた上で、UPF創設者である文鮮明総裁による「ヘッドウィング(頭翼)」思想について紹介しました。
さらにセローバー氏は、個人や社会が変わらない限り、メディアが変わることは期待できないと主張しました。この点に関して同氏は、特にソーシャルメディアにおける「自己監視」というアプローチを提案しています。同氏は「わいせつなコンテンツや暴力的なコンテンツを制限するための仕組み(セーフサーチ)があるように、扇動的なレトリックを制限するための方法があるはず。こうしたシステムを利用してソーシャルメディア環境のポジティブな方向転換に貢献することができる」と述べました。
2人のスピーカーによるプレゼンテーションの後、活発な質疑応答が行われ、スピーカーは自分の考えをさらに詳しく説明し、オンライン参加者とも交流する機会を得ました。