UPF「シンクタンク2022」と世界平和議員連合(IAPP)、米日刊紙ワシントン・タイムズが共同開催した「第2回希望前進カンファレンス」が12月17日、韓国で開催されました。会議では権威主義的政権と自由主義社会の衝突によって、あらゆる場所で人々の宗教の自由と人権が危険にさらされている問題について議論されました。
最初にユン・ヨンホ希望前進カンファレンス組織委員長が、人権は個人だけでなく「家族、神を中心とした家族に焦点を当てる」ことを忘れないようにしなければならないと参加者に呼びかけました。
IAPP共同議長で米国元下院議員のダン・バートン氏は「宗教の自由は決して当たり前のものではない。常に守り、見守らなければならない」と述べました。
米国「信教の自由」担当特任大使を歴任したスーザン・ジョンソン・クック氏(=写真左)は、「宗教の自由は思想の自由であり、言論や集会の自由と並んで、民主主義の不可欠な基盤である」と主張しました。
外交政策と市民的自由を専門とするCATO研究所のダグ・バンドウ上級研究員(=写真右)は「全体主義に傾倒する政権は、宗教を『危険な競争相手』と見なし、宗教を沈黙させたり支配したりしようとしている」と述べました。バンドウ氏は、世界中の宗教的迫害を追跡している組織であるオープン・ドアーズからのレポートを引用し、中国共産党、アフガニスタンのタリバン、北朝鮮政権、ミャンマー軍事政権によって行われた抑圧を強調し、エリトリア、キューバ、ウズベキスタン、タジキスタン、ラオス政府の宗教迫害を報告しました。
マイク・ポンペオ元米国務長官(=写真左)は中国共産党と「ゼロ・コロナ」政策に対する中国国民の抗議は、中国共産党が1989年以来直面している「最も広範で熱烈な」ものだと指摘。中国共産党がこの政策を緩和しても、「信教の自由を粉砕するために弾圧のツールを使い続けるだろう」と述べました。また、ポンペオ氏は世界では宗教迫害が続いていることに言及。新疆ウイグル自治区の数百万のイスラム教徒やカトリックとプロテスタントを含む1億人の中国人キリスト教徒が迫害によって苦しんでいることを紹介しました。
国際「信教の自由」担当特命大使を務めたサム・ブラウンバック氏(=写真左)は、中国は携帯電話の追跡装置、顔認識技術、国家が管理できる電子デジタル通貨で国民を取り締まることができると述べました。「中国で信仰を持つ者をことごとく追いかけ、これらの技術を世界各国に拡大しているとすれば、我々はすぐに、より大きな領域でこれに立ち向かうことになるだろう」と述べ、各国が政治的、思想的に中国に立ち向かうよう促しました。
ハドソン研究所の中国戦略センター長であるマイケル・ピルズベリー氏(=写真右)は、「中国は朝鮮半島の統一を恐れ、これに反対している。なぜなら、半島が統一すれば米国との連携が強化され、世界の超大国の立場を確立するという中国の『100年戦略』の障害になるからだ」と分析。さらに、「中国共産党は党員と宗教団体を厳しく管理するとともに、イエスの聖書の中の行為を彼らの良いように書き直し、中国共産党のビジョンに合わせてキリスト教を作り直すという5年計画を推進している」と指摘しました。
このほか、複数の講演者が、中国共産党と日本共産党などが、7月8日の安倍晋三元首相暗殺事件を利用しようとしていることを示唆しました。
元BBC特派員のハンフリー・ホークスリー氏(=写真左)は安倍氏について、「日本の新しい強固な安全保障と外交政策の中心人物」とし、「平和主義憲法の改正を推し進め、攻撃可能な防衛力を創設し、インド、オーストラリア、米国との同盟を強化した」と評価しました。一方で同氏は、そうした地政学的アジェンダについて、現在、日本のメディアでは十分取り上げられておらず、その代わりに大々的な「反家庭連合キャンペーン」が行われていることを問題視。実際、主要な日本のメディア4238本の記事を分析したところ、「家庭連合に肯定的な見方をしたメディアは1つもなかった」と述べました。
UPFの友好団体である国際勝共連合の渡邊芳雄副会長(=写真左)は、日本における共産党との戦いの歴史を振り返りました。その上で、家庭連合と友好団体に対する一連のバッシングの背後に共産主義勢力の策謀があると指摘。渡邊副会長は、「国際勝共連合はこうした策謀を阻止し、日本の民主主義を守るために、命を懸けて最後まで戦うことを誓う」と訴えました。