UPF韓国主催の第42回平和フォーラムが、2023年3月17日、韓国・京畿道の会場で開催されました。21年8月に開始されたこのフォーラムは、朝鮮半島再統一のための解決策を見出そうと、異なる分野の専門家がそれぞれの立場から関連する問題を深く掘り下げ、議論する場となっています。
フォーラムでは、元韓国国連大使のキム・スク大使(=写真左)が「平和と安全:私たちの外交的使命」と題して特別講演を行いました。キム大使はウクライナとロシアの戦争に触れ、第二次世界大戦後に国連の創設とともに国際法などが整備されたにもかかわらず、21世紀になっても領土の収奪を目的とした侵略戦争が起こり得ることを説明しました。
また、自由民主主義体制の中で、非自由民主主義体制を主張する独裁国家が出現していることを強調しました。世界の価値観の対立が激化する中で、国家の安全保障を確保するための同盟の重要性を述べた上で、韓国の外交戦略の方向性への懸念についても言及しました。
キム氏は結論として、以下のように述べました。
「2023年は休戦協定と韓米同盟の締結から70周年にあたる。軍事協力から始まったこの同盟は、次第に価値の同盟、対等な同盟、グローバルな同盟へと発展していったが、この方向で皆で努力していくべきだと思う。70周年を迎えるにあたり、同盟締結100周年を迎えるまでの次の30年の指針となるビジョンを持つべきだろう。朝鮮半島の分断は75年以上続いており、同盟締結100周年のビジョンにはその点も考慮する必要がある。この分断が100年を超えないようにするために、どのような手段を講じるべきか。私は、朝鮮半島の統一に向けた具体的なビジョンと戦略を持つべきだと思う。すべての国民がそのためのビジョンと批判的なマインドを持つことを望む」
キム大使の講演後、パネルディスカッションが行われ、韓国国内の有識者がコメントしました。
さらに、会場やオンライン参加者との質疑応答も行われ、韓国の外交戦略や北東アジアの平和について活発な議論が行われました。
最後にキム大使が「どんな状況でも信念と価値観を守り、広い心で続けていくことが必要だ」と訴え、フォーラムは終了しました。