第5回鮮鶴平和賞(鮮鶴平和賞委員会=委員長・ジョゼ・バローゾ元欧州委員会委員長)の授賞式が2月12日、韓国・清心平和ワールドセンターで行われ、サラ・ギルバート博士(英オックスフォード大ジェンナー研究所ワクチン学教授、英アストラゼネカ製コロナワクチン共同開発者=59)とGAVIアライアンス(本部・スイス)に授与されました。受賞者にはそれぞれ賞金50万ドル(約5700万円)と賞牌が贈られました。

ギルバート博士(=写真右)は保管・運送が容易で低価格なオックスフォード大―アストラゼネカワクチンを開発し、医療環境が脆弱な途上国の人々の命を救うことに決定的な役割を果たしたことなどが高く評価されました。

また、GAVIは、新型コロナウイルスのワクチンを世界各国で共同購入して分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティ」を主導し、途上国に供給した功績が認められました。

ギルバート博士は受賞スピーチで、「コロナが大流行する間、収益を求めることなくワクチンを開発、生産し、途上国においてワクチン供給と効果を最大化することを目標にしてきた。現在まで、少なくとも170カ国でこのワクチンを使用しており、25億回分を超えるワクチンが生産された」と述べ、「これからは1カ国も漏らさずすべての国にワクチンを送らなければならない課題が残っている」と強調しました。さらに、「再び伝染病に対応すべき時に備え、政府と国際機関が手を取り合って協同し、今回よりさらに徹底的に準備された状態であることを願う」と、伝染病への対応を訴えました。

ライブ映像で出席したGAVIのセス・バークレー代表(=写真左)は、「GAVIはいかなる国籍であっても子供と大人が保健の機会を平等に享受し、平和な世界を作ることができるよう努力している」とし、「保健こそが平和な世界の根幹である」と述べて、平等なワクチン供給の必要性を強調しました。

また、鮮鶴平和賞「創設者特別功労賞」は、本サミットの共同組織委員長であり、東南アジアの多国間協力に先駆けて取り組んできたフンセン・カンボジア首相が受賞しました。特別賞は韓鶴子総裁が授与しました。

フンセン首相は「私はカンボジアの経験を通して、『平和がなければ希望はない。平和がなければ発展がない。平和がなければ、人権と民主主義に対する尊重もない』という点を強調したい」とし、「『平和は漠然とした夢ではなく、具体的な行動だ』という文鮮明総裁・韓総裁の信念に同意する」と述べました。