第4回シンクタンク2022フォーラム

UPFなどが主催する「第4回シンクタンク2022フォーラム」が2月14日、韓国京畿道のHJグローバルアートセンターを拠点に韓国国内や日米の会場をオンラインで結んで行われました。

米国のドナルド・トランプ政権で国防政策を担ったマーク・エスパー元国防長官(=写真)が基調講演を行い、「すべての民主主義国家がその脅威となる危険勢力を監視し、警戒しなければならない」と述べて、同盟国のパートナーシップと力を示さなければならないとの考えを明らかにしました。

エスパー氏は、朝鮮半島を含む東アジアの状況について、北朝鮮の核・ミサイル、台湾海峡問題などを挙げながら、複雑な利害が絡みあい、大国が関与し、見通しが立たない上に、駆け引きが熾烈な地域と説明。一方で、かつて米国のレーガン大統領が「強固な家庭」「自由主義」「法の支配」などの価値を基盤にした明確な態度と意志をもって、アフリカ、南アメリカ、アジアで影響力を行使したことで、ソビエト連邦(当時)の拡張的な動きを阻止したことなどを振り返りながら、「今日、私たちは強力な軍事力と同盟の重要性について、明確さと決意をもう一度示さなければならない」と訴えました。

その上で、エスパー氏は「競争国や敵対国との戦争が容易に起こらないようにしながら、外交関係を改善して緊張緩和を引き出すためには、強力な軍事力とさらに強い国際連携のしくみが必要だ」と強調。「朝鮮半島の平和統一を通じて未来を勝ち取り、中国が国際法を遵守させるためには、私たちは一チームになるべきだ」とし、韓国がクアッド(日米豪印4カ国による外交・安全保障の協力体制の枠組み)に合流し、「クアッドからクイント(Quint)に拡大しなければならない」と提案しました。

続いて、3月に迫る韓国大統領選の有力候補である「国民の力」のユン・ソギョル候補、「共に民主党」のイ・ジェミョン候補の両陣営から専門家が参加し、エスパー氏の基調講演に対し、総評を行いました。ユン陣営のチェ・ビョンヒョク元韓米連合軍司令部副司令官は、「韓米同盟を包括的同盟に強化し、その対応範囲をインド・太平洋地域の問題だけでなくグローバルイシューにまで拡大しなければならない」と述べました。また、イ陣営を代表して登壇したキム・ハンジョン議員は「強固な韓米安保同盟を包括的なグローバルパートナー同盟に発展させつつ、一方で北朝鮮に先制打撃を加えるような扇動的な話をむやみにせず、平和のための確固たる原則とビジョンを提示しなければならない」と強調しました。

その後、日韓米の専門家が発言し、エスパー氏との質疑応答を行い、在韓米軍問題、日韓関係の重要性や対北朝鮮政策など地域の安全保障に関わる広範なテーマについて意見交換が行われました。