「2024年の北朝鮮と韓国:友好親善に向けた展望」をテーマとするウェビナーが1月23日、開催され、朝鮮半島情勢に詳しい2人の専門家が南北両国と周辺諸国を巡る現状分析と今後の見通しについて発表しました。主催は、UPFの分野別プロジェクトである「国際平和言論人協会(IMAP)」米国支部。

ウェビナーは冒頭、カナダ・モントリオールのケベック大学で北朝鮮情勢を研究し、自身もこれまで何度も訪朝経験のあるエチエンヌ・ド―スト氏が登壇しました。

ド―スト氏は過去十数年を振り返り、米国、韓国、日本で政権が変わるたびに、朝鮮半島に対する外交アプローチが変化している点を指摘しながら、現状については南北両国の和解に向けた道筋が不透明になっていると分析しました。

一方で、ドースト氏は北朝鮮の金正恩総書記が今年1月15日の最高人民会議で、経済の発展と人民の生活レベルの改善を強調する演説をしたことに言及し、2024年は南北の和解は進まないものの、北朝鮮が有事に至らしめる余裕はないだろうとの見方を示しました。

続いて、韓国を拠点に活動するジャーナリストであり、PRコンサルタント会社を経営するマイケル・ブリーン氏が南北の分析と今後の両国関係の見通しについて述べました。

ブリーン氏は南北の和解を阻害する3つの要素として、①悪化する米中関係と、ウクライナやイスラエルにおける紛争など不安定な国際情勢の中、民主主義を価値視する意識が低下し、その結果として全世界的に独裁主義的、軍国主義的な傾向が強まりつつあること②金正恩氏が南北統一の道を模索しないと公言したこと③北朝鮮の方針変更に対する韓国政府の強硬姿勢――を挙げました。

ブリーン氏が最も懸念する材料として挙げたのは、韓国が北朝鮮に対して、断固たる姿勢で臨むとの表明をしたことです。ちょっとした誤解によって、紛争につながる可能性があると述べました。

両氏は、韓国と北朝鮮の関係は現在、紛争に突入してしまうか、平和への道が開かれるのか狭間にあり、いずれに向かうドアも開かれたままになっているとの見解で一致しました。

写真は左上から時計回りにマイケル・ブリーン氏、レイ・リポーカン米IMAPペンシルベニアエグゼグティブディレクター、エチエンヌ・ド―スト加ケベック大学研究員