宗教者平和大使協議会・IAPD-Japan主催の第114回超宗教フォーラムが3月12日、全国各所をオンラインで接続して開催され、神道、仏教、イスラーム、キリスト教を代表する宗教者平和大使、有識者ら約150人が参加しました(=写真上)。今回は、「3.11東日本大震災10年の祈り 〜 神と人、人と人の新たな絆を結ぼう 〜」を主題に、犠牲者の追悼と被災地の復興、さらには世界平和への祈りを捧げ、互いの「絆」を強める目的で開催されました。
冒頭、本フォーラムに先立ち、3月5日、6日の両日、IAPD-Japanコーディネーターの石丸志信・世界平和宗教連合会長が仙台市と石巻市の被災地を訪問し宮城県平和大使協議会の代表と共に祈祷を捧げた映像を上映しました(=写真上)。これに続いて、国内の5つのエリヤと台湾、米国の宗教者代表が祈りのリレーをつなぎました(=写真下)。その結びに友好団体の平和統一聯合有志による「花は咲く」の合唱が捧げられました。
続く基調講演では、梶栗正義・UPF-Japan議長が「愛の復権」と題して祈りの力と絆の重要性を強調しました(=写真下)。
梶栗議長は、震災直後被災地に支援物資を届けた経験を思い起こし、困難な状況で支えあう人々の「絆」が国民の心を支え、レジリエンス(復興の力)を育ててきた教訓を今に生かしていく必要があり、それが2万人に及ぶ犠牲者の魂を真に慰霊することにつながる、と語りました。
「今日、分離分断を余儀なくされる新型コロナウィルスのパンデミックを『絆』で克服できるかどうかが問われている」と梶栗議長は続けます。
「『絆』を軸に据えるためには、『祈り』が極めて大きな役割を果たしている。祈りは神に向かうものであり、魂の安らぎは神によってのみもたらされることに信頼すること。祈りは人と人との絆を取り戻す大切な武器となっている。神と人への思いを強めるとき、絆の力は人類の再生、復興の力となる。祈りの復権、神の復権、愛の復権こそが今日のコロナ禍を克服し、人類をひとつに結ぶものとなる」と結びました。
梶栗議長の講演前には、唐彥博・UPF台湾会長の挨拶があり、「長い年月をかけて深い友好関係を築いてきた日本と台湾は、今後も永遠の良きパートナーとして共にある。東日本大震災と原発事故の犠牲者にあらためて深い哀悼に意を表するとともに、UPFの創設者である文鮮明・韓鶴子総裁夫妻が提唱する『ために生きる』精神が相互に拡散していくことを信じている」と述べました。
基調講演の後、参加者代表が経験談を発表しました。島根在住の僧侶で原子力の専門家でもある森山清史師は、当時、福島第一原発事故発生をニュースで見ながら、当事者が冷静な対応をするためは祈りしかないと感じ、近隣の宗教者に働きかけたと語りました。
「超宗教フォーラムに参加している宗教者に祈ってほしい」。森山師のその時の呼びかけがきっかけで宗教者平和大使による追悼と復興の祈りが始まったと石丸会長が説明を加えました。続けて、宗教者平和大使の捧げた10年の祈りの歴史を概観しました。これに対して被災者から感謝の言葉がかけられました。
祈りと講演を受けてIAPD-Japanの川上与志夫会長が総括的な所感を述べました。川上会長は、「梶栗議長の基調講演は『祈り』であった。祈りは絆である。他者への関心が深まると、愛の心が芽生え、行動につながる。皆様と心をあわせて祈り、活動することで、人のため、神様のために働き続けたい」と語りました。
参加者は最後に、UPF創設時の文総裁の基調講演文(「天宙平和統一王国創建の真なる主人Ⅰ」=2006年4月10日)を読み、UPFのビジョンを共有しました。