南東京平和大使協議会は4月10日、イスラム教とトルコ文化に触れるツアーを企画し、約60人が日本最大のモスク(イスラム教寺院)である「東京ジャーミィ・トルコ文化センター」(東京・渋谷区)を訪問しました。

ツアーは、平和を求める心は国境や宗教の違いを超えた異文化理解から始まるとの平和大使運動の理念に基づいて行われたものです。

同センターは日本最大のモスク(イスラム教寺院)であり、「ジャーミイ」は、「人の集まる場所」を意味するアラビア語が語源になっています。

一行は、主催者や来賓のあいさつに続き、東京ジャーミィの広報担当者である下山茂さんの解説を聞きながら、同センター内を見学しました。

まず、東京ジャーミィが建てられた経緯について説明がされました。1917年のロシア革命の際、帝政ロシアの民族政策によって、国内や中央アジアの国々に住んでいたムスリム(イスラム教徒)もモスクに放火されるなどの迫害を受けていました。こうした抑圧から逃れるために祖国から脱出したムスリムも多く、その一部はシベリアや満州を経て日本にも逃れ、中でも大久保や渋谷に多く集まったといわれます。

こうしたなか、1938年に東京ジャーミィが建設されました。その後、老朽化が進んだこともあり、86年に当初の建物は取り壊されましたが、寄付金を募り、2000年に再建されました。

その後、一行は建物の外に出て、モスクの周辺を見学。大きな尖塔とドームが印象的な外観とともに、イスラム美術の一様式であるアラベスク模様があしらわれた内装に目を奪われますが、意外にもイスラム圏に暮らす人々にとってモスクは、買い物帰りに立ち寄ったり、病気の際には回復を祈るために訪れるなど、身近で公共性が高い場所だといいます。

一行はさらに、礼拝堂で行われている礼拝を見学。下山さんによると、1日5回行われる礼拝は、人々が日々の生活の中で心の糧を得るための時間だといいます。

見学が終わった後、参加者は建物内にあるカフェでトルコ料理「クイーンマルユムルタ」を体験。食文化に触れる機会となりました。