「新興宗教と“カルト”専門家、およびメディア」をテーマとしたウェビナーが7月25日、UPF米国のIMAP(国際平和言論人協会)の主催で開催されました。

HJI大学院平和・公共リーダーシップ研究科学長で平和開発学教授のトーマス・ウォード博士は「報道バイアス」と題し、メディアの不適切な報道がNRM(新興宗教運動)に敵意やヒステリーな雰囲気を助長する可能性があると指摘。通常、人種的、民族的、その他の社会的マイノリティを尊重し、敬意を持って言及する報道機関が、NRMに対してはそうした態度を示さないことを明らかにしました。そして、メディアが「カルト」という言葉を使うことで、否定的なイメージが生まれると意見を述べました。ウォード博士はまた、宗教ジャーナリズムやNRMの評価に関する資格をもたない人々が「カルト専門家」と見なされ、彼らの見解が信頼されている現状についても指摘しました。

続いて講演したブリガム・ヤング大学コミュニケーション学部の准教授で、モルモン教の信仰をもつジョエル・キャンベル氏は、メディアの反モルモン感情が創立者の暗殺に繋がったか経緯について語りました。その上で異なる宗教を理解しようとするときは、その宗教を敵視する人ではなく信者に尋ねるべきであると付け加えました。

結びのあいさつの中で、ウォード博士とキャンベル准教授は、メディアの偏見への対処として宗教間のパートナーシップが必要であるという共通の見解を発表。キャンベル氏は、宗教ジャーナリストに対する研修セッションなどの開催が有益であると提言しました。