UPFフランスとWFWPフランスの共催で1月25日、国連「教育の国際デー(※)」を記念する専門家会議が首都パリで開催されました。今年で6回目となる「教育の国際デー」のテーマは「持続可能な平和のための学習」。この日のイベントには、約20人の平和大使や大学教授などが参加し、ユネスコが強調するヘイトスピーチの抑制と相互理解の促進について議論が行われました。
はじめに登壇したのは、元国連特別広報官で人種・民族差別問題担当のドゥオドゥオ・ディエネ氏。ディエネ氏は、職業に関する知能や技能だけではなく、普遍的価値も教えることも教育の一環である、との見解を示しました。また、国連で推進する平和文化の構築に向けた取り組みについて説明。調和のとれた社会を築いていくためには個々人の尊敬心と寛大さ、他者のために生きることの重要性について強調しました。
次に、元ユネスコ・マダガスカル臨時代理大使のニー・トキ・アンドリアマンジャト氏が登壇。平和調和発展協会の事務局長も務めるアンドリアマンジャト氏は、異文化間および宗教間の対話の重要性を強調。多くの宗教や伝統の約80%が共通していることを説明し、「相互の違いを克服し、共通の理想実現に向けて積極的な協力が必要だ」と述べました。
続いて質疑応答では、ユネスコが抱えている課題が浮き彫りになりました。世界規模で悲劇的な紛争が起きている世界情勢の中で、平和の実現には個人が果たすべき責任の重要性が再確認されました。
最後に、UPF欧州・中東のジャック・マリオン共同議長が登壇し、UPFが掲げる平和ビジョンについて説明。豊かな心と価値観を育む家庭こそが教育の基礎であり、平和教育、人権、持続可能な開発へと繋がることを強調しました。
(※)2018年12月3日に国連総会で制定され、翌年1月24日が1回目の「教育の国際デー」となった。質の高い教育を確保し、全世界・全年齢の人々の学習機会を促進することを目的に、2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の1つとして定められている。国連は毎年「教育の国際デー」の趣旨に合わせた行事などを開催することを国連加盟国や関連団体に推奨している。