ピースサミット2023のセッション4-A「アフリカから考える」が5月3日に開かれました。

最初に登壇したトーマス・ヤイ・ボニ元ベナン大統領(=写真左)はアフリカについて「約4世紀にわたる奴隷制で人的資源を貧困化させたグローバル労働組織の犠牲者である」と述べ、大陸の緊迫感の源は、肌の色の差別に基づく統治、地域主義、部族主義、民族中心主義、公共サービスや資源への不平等なアクセス、その結果、若者や女性が疎外されることに起因していると指摘しました。ボニ氏はアフリカを神のもとに戻し、精神性と道徳性を回復させなければならないと強調しました。

次に、ザンビア・ナショナル・クリスチャン・コーリション創設者であるネヴァース・セクウィラ・ムンバ氏(=写真右)が発言。ムンバ氏はまず、「アフリカの課題に対し、アフリカ人自らが立ち上がり、世界で最も豊かな大陸と結び付いている不要な戦争に歯止めをかける必要がある」と述べました。「私たちの目標は、真の平和は神からもたらされると主張することである」と強調。信仰を持つ人々は、道を切り開き、紛争を克服するためにもっと積極的にならなければならないとし、政治的なプロセスに関与することを避けてはいけないと述べました。

マダガスカル元大統領であるヘリー・ラジャオナリマンピアニナ氏(=写真右)は、国民の教育が重要であるとし、教育の基本は家庭次元のものでなければならないと主張しました。ラジャオナリマンピアニナ氏は現代の若者がソーシャルネットワークなどのテクノロジーを駆使して独自の世界に生きていることで、知恵を持っている年長者を疎ましく思うようになり、家族の中で困難が生じていることを指摘しました。同氏は家族の価値観に立ち返ることで、平和と知恵の文化を再び手に入れることができると自身の考えを述べ、「より良い未来を築くためには、年長者と若者の間に相互補完性がなければならない」と強調しました。