UPFオーストリアは9月1日、ウィーンで「超宗教平和会議」を開催しました。「Peace Starts with Me(平和は私とともに始まる)」をテーマに行われた会議は、UPF創設者の文鮮明総裁の逝去11周年を追悼する行事としても位置付けられ、約140人が参加しました(=写真)。

最初にUPFオーストリアのピーター・ハイダー会長が主催者を代表してあいさつ。ハイダー会長はUPFが取り組んでいる宗教間対話の促進のための活動を紹介しながら、調和のとれた平和な社会と世界をつくるためには、互いの信仰を尊重するとともに共通点を見出す努力も重要だと強調しました

様々な宗教的背景を持つパネリストがスピーチしました。当会議の協力団体でもある「クリヤ・ヨガ財団」のパラマハンサ・プラジュナナンダ師は、「平和とは無慈悲、憎しみ、嫉妬、対立、矛盾、混沌がない状態であり、協力、平穏、相互理解、互いに助け合い、思いやる気持ちが浸透していることだ」と語りました。

続いてスピーチしたのは、シリア出身で、イスラム学とアラビア語の専門家であるイスマイル・ヤシン教授。ヤシン教授はウィーン内の複数の学術機関で教鞭をとり、中東からの移民や難民のための統合センターを運営しています。

イスラム教徒であるヤシン教授は、「皆様方に平和があらんことを!」との祈りを捧げた後、「イスラム」という言葉自体が「平和」を意味すると説明。その上で、「イスラムでは神を信じることなしに平和はないと説いている。平和は無から生じない。宇宙に神が存在することを信じることから始まる」とイスラムの平和観を紹介しました。

ウィーンにある台湾発祥の仏教寺院であるフォ・グァン・シャン寺院の尼僧であるルチュン師は平和を導くための手立てとして、以下のように語りました。

「私たちは自分自身の執着を断ち切ることによってのみ、平和を享受することができる。『私』を解放することで、意見や考えを異にする人々を受け入れることがより容易になり、心の平安と家族、社会、そして世界に平和を導くことができる」。

最後に米国の医師であり、比較宗教学者のジョシュア・シンクレア博士が発題。シンクレア博士は、平和をもたらすには一人の人間の力では十分ではないかもしれないと述べた後、自身はインド・カルカッタで医療活動を行っていた際に出会ったマザー・テレサから影響を受けた経験を紹介しました。

※下の写真のキャプション

(写真左上から統計回りに)プラジュナナンダ師、ヤシン教授、ルチュン師、シンクレア博士