UPFと分野別プラットフォームの一つである「世界平和ファーストレディ連合(IAFLP)」は6月13日、コソボの首都プリシュティナの国会内で国際会議を開催しました。コソボ首相府の協力のもと、「女性なくして平和なし」をテーマに開かれた会議には、国内外の国会議員、大使など約230人が参加。バルカン半島に平和プロセスや紛争予防、人間の安全保障をどのようにもたらすのかについて、女性の視点から議論を行いました。

冒頭、コソボのアルビン・クルティ首相(=写真)が基調講演を行いました。クルティ首相は、「コソボはNATOとの協力によって、平和を実現した1つの成功事例だ。平和とは、基本的権利と自由を奪われた人々が解放されてはじめて訪れるものだ。女性が安定した社会を築くために、より大きな力を発揮できるのは、女性が真に解放された後である」と語りました。

クルティ首相はさらに、コソボのような歴史の浅い国にとっては、ジェンダー・バランスは極めて重要だと強調。コソボは政治分野だけでなく、他の分野においても、女性がリーダーシップを発揮できる地位に就けるような取り組みを推進していると述べました。

続いて、ジュネーブ・国連欧州経済委員会の事務局長であるオウガ・アルガヨヴァー氏(元ウィーン国連スロバキア大使=写真)がビデオメッセージを送りました。アルガヨヴァー大使は、平和構築における女性のリーダーシップが大きな可能性を秘めていることを強調し、女性のエンパワーメントを通じてそれを高めることができると述べました。

同会議はその後、「1325(※)/女性、平和、安全保障に関する国連アジェンダ:平和と和解に向けたロードマップ」など、3つのセッションが行われ、各界の指導者が平和構築や国家づくりに向けた女性の役割について意見を述べました。

※2000年10月に、国連安全保障理事会によって採択された、平和構築における女性の参加に関する決議「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議第1325号」。同決議では、戦争が女性に及ぼす影響を具体的に取り上げるとともに、紛争の解決と予防、そして平和構築、和平仲介、平和維持活動のあらゆる段階への女性の貢献を強調している。