UPFが推進する専門家プロジェクトである「国際平和経済開発協会(IAED)」の米国支部は7月19日、「朝鮮半島メガリージョン(KPMR)の展望」をテーマにウェビナーを開催しました。
最初に、韓国と東アジア地域の情勢分析を行う、米国の政策プラットフォーム「AsiaEast」のディレクター、スティーブン・コステロ氏が韓国のシンクタンク「京畿研究院」の発表した「朝鮮半島メガリージョン(KPMR)構想」について考察し、その分析結果を報告しました。
コステロ氏は冒頭、「経済・政治・建設工事?などさまざまな要素を考慮しながら長期にわたって実現を図る同構想は、北朝鮮と韓国、米国、または国際機関との関係構築を前に進める『接着剤』としての役割を果たし得る」と語った後、DMZ(朝鮮半島軍事境界線)の西側部分に位置し、北朝鮮と国境を接する韓国・京畿道庁が過去10年にわたって行った、この構想の可能性を探る調査・研究結果の一部を紹介。コステロ氏は「KPMRが実現すれば、朝鮮半島と北東アジアに持続可能な平和と発展がもたらされる」と述べた上で、「このウェビナーシリーズの中で、私が紹介した国際ハイウェイや日韓トンネルがこの構想実現を後押しし、朝鮮半島と東アジアを結束させるものになるだろう」との見方を示しました。
続いて、米国とインドの2国間貿易を促進する国際組織、「米印商工会議所(NUICC)」創設者兼CEOのプルニマ・ヴォリア博士が発言し、KPMR構想を実現するための具体案に言及したほか、グローバルビジネスとして発展させるための視点をいくつか提示しました。
最後に行われた参加者との質疑応答を通じて、構想実現には、乗り越えなければならないハードルがさまざまあることも浮き彫りになりました。
その一方で、世界各地に広がる経済圏の急速な発展を例に、その可能性は非現実的ではないことも示されました。第2次世界大戦後のドナウ川流域、中国の深圳経済特区、ドバイ(アラブ首長国連邦を構成する首長国の1つ)などの開発は政治的意志が相乗効果となって地域構造がより良く変容した好例です。
KPMRへの国際世論の関心が高まり、今後、構想実現に向けた取り組みが動き出すか注目されます。