UPF欧州・中東が主催したILCの2日目は、8月4日に英国・ロンドンのUPF本部で開催されました。3つのセッションが行われ、欧州、中東から約100人がオフラインで参加。オンラインで参加した人も多数いました。

セッションIII「朝鮮半島と北東アジアの持続可能な平和と繁栄に向けたソウル宣言の戦略を探る」は、元BBC世界特派員のハンフリー・ホークスレイ氏がモデレーターを務めました。

パネリストは、UPF-英国理事長のキース・ベスト氏、金日成・金正日財団英国副理事長のキース・ベネット氏などが参加。ワールドサミット2022(2022年2月)で署名された「ソウル宣言」を振り返り、朝鮮半島やウクライナの紛争解決への可能性について議論しました。

セッションIV「紛争解決と信仰に基づく組織・NGOの役割―国連における超宗教協議会の創設」をテーマに行われました。

パネリストは、元欧州委員会宗教の自由促進特使のヤーン・フィーゲス氏、オックスフォード・イスラム情報センター長のシェイク博士、ホジャット・ラムジー氏、欧州ヒンズーフォーラム会長のラクシュミ・ビャース博士などです。

パネリストらは、信教の自由とその世界的な状況をテーマに議論を展開。米国ピュー研究所の報告によると、世界の信仰を持つ人の4分の3以上が何らかの形で信教の自由を制限されているという事実を強調しました。また、国連に超宗教協議会が設置されることで、宗教紛争の解決や様々な社会問題の持続的な解決など、具体的な効果が期待される事例が紹介されました。

セッションVは「対立する物語と価値観-共通のビジョンと平和の文化のための展望」をテーマに行われ、新たに台頭してきた東西対立の思想的基盤に焦点を当て、欧州の一部の民主主義国家に見られる個人の権利や伝統的価値観に対する緊張や異なる視点を取り上げ、これらの傾向をいかに調和させ、グローバルな平和の文化を促進できるかを議論しました。

ILC 3日目の8月5日、キプロスのラルナカとアルバニアのティラナで、2つのセッションが開催されました。

ラルナカで行われたセッションVIは、「既成概念にとらわれない – 中東全体の平和構築の新たな視点」をテーマに開催されました。

この会議は、紛争によって国や生活が引き裂かれ、多くの人々が真の変革への希望を見出せないでいるこの地域において、地域全体の平和構築者の声を伝えることを目的としました。パネリストたちは中東におけるさまざまな紛争を振り返り、アブラハム和平協定合意、キプロスにおける二地域間プロジェクト、UPFがサンマリノで毎年行っているユダヤ人とアラブ人の子供たちによる「平和のためのサッカー」プロジェクトなどの平和イニシアチブについて、活発な議論を展開しました。

アルバニア・ティラナのバルカン半島平和大使館ではセッションVIIが開催され、約100人のゲストと平和大使が出席しました。テーマは 「西バルカンの平和と安全保障-EUへの統合に向けて 」。

アルバニアのアルフレッド・モイシウ元大統領がメッセージを送り、会議で読み上げられました。その他、元NATO担当北マケドニア大使のナノ・ルジン教授、元コソボ副首相のエンベル・ホクサイ准教授、元アルバニア欧州統合大臣のクライダ・ジョシャ氏、元モンテネグロ軍参謀長のドラガン・サマルジッチ提督などがパネラーとして登壇しました。

ウクライナ戦争やコソボ・セルビア国境での最近の衝突を背景に、パネリストは西バルカン諸国の安全と安定の問題を取り上げました。

最後に、パネルと会場のVIP9人に「平和大使」の任命状が授与され、セッションは幕を閉じました。