UPFは2月24日、韓国の大韓老人会(KSCA)の協力のもと、「世界元老会推進結成大会」を開催しました。

UPFではこれまで、恒久平和実現のために各界・各分野の専門家・有識者のネットワークの構築を推進してきましたが、その中でもシニア世代=元老の役割に着目。こうした世代の知見が他の世代の活動に大きく生かされるよう取り組みを進めてきました。この日のイベントは、UPFが今年開催予定のピース・サミット2023において「世界平和元老会」を発足することを宣言するもの。

冒頭、スリランカのマイトリパラ・シリセナ第7代大統領(=写真左)が歓迎のあいさつを述べ、「高齢者の人口は過去10年間で徐々に増加しており、世界的に地理的・文化的な政治に大きな影響を与えることになる」と指摘。世界の指導者や国家元首も多くが高齢者であると述べました。また、若者や中堅世代はビジョンや熱意を持っている一方、年長者は経験や知識によって道を示してくれるとし、「永遠の平和と繁栄を目指す上で、年長者、中堅、若者の相互協力が必要だ」と強調しました。

UPF各分野の指導者が祝辞を述べたあと、「恒久平和な世界を実現するための年長者の役割」と題してセッション1が行われました。

最初にパキスタン第18代首相のユスフ・ギラニ氏(=写真左)が登壇。ギラニ氏は、アジア太平洋地域および世界全体の平和と安定と密接に関連する朝鮮半島の平和と安定について詳しく分析。平和な環境を構築しようとすれば、強力な政治的意思と政府、議会などで調整された多角的な努力が必要だと述べました。また、気候変動の影響や、パキスタンで発生した2022年の壊滅的な洪水についても言及しました。今回の大会への連帯と、将来的にポジティブな結果をもたらすことに貢献することへの期待を表明しました。

 

第50代米国下院議長のニュート・ギングリッチ氏(=写真左は、今大会の主催者に対し「年長者たちが知恵を出し合って未来の世代を導くという中心的な重要な役割を強調している」と感謝の意を表明しました。その上でギングリッチ氏は、「信仰の資質、家族の伝統、そして私たちの基本的な価値観は、年長者から生まれる。したがって、私たちは、歴史上最も重要な時期に、年長者に集ってもらい、後の世代を指導することを呼びかける。私たちは、良い国の最も重要な礎は、強い家族であり、私たちの親である神への信仰であることを強調する」と述べました。

ネパール元第1副大統領のパルマナンド・ジャー氏(=写真右)は「年長者は伝統、知識、文化、価値観、教訓を、口伝えや伝統的な慣習の模範となるものを使って伝えている。特にアジア社会では、年長者は大きな尊敬を集めており、経験も豊富で、多くの知識を持っている。年長者を尊敬することは、私たちが文明的で文化的であることを示すものだ」と自身の考えを述べました。また、ジャー氏は自身の個人的な経験やUPFの創設者の生涯の活動を振り返り、「このイニシアチブを大きな意義をもって受け止めている」と述べました。

 

第26代国防部長官で、韓国の全国長老懇談会議長であるイ・サンフン氏(=写真左)は「今は平和と安定を追求し、年長者が連帯して洞察と知恵を分かち合う時だ。今回の大会は国境を越えて人権と普遍的な価値を確保するために声を上げる場を提供してくれる」と開催の意義を強調しました。