「家族」を取り巻く諸問題を討議する国際会議(World Congress of Families=WCF)が9月30日から10月2日、メキシコの首都であるメキシコシティで開催されました。WCFは大学教授、宗教指導者、専門家など多様なバックグラウンドをもつ有識者が参加する国際会議で、主催は「国際家族機構」(International Organization for the Family)。同団体は1997年に創立され、WCFは今年で14回目の開催となります。今回の会議にはUPFインターナショナルを代表して、リン・ウォルシュ家庭局ディレクターが参加しました。

開会総会では、最初にファミリー・ネットワーク協議会のマヌエル・カンペロ会長があいさつ。「次代を担う若者たちが将来に不安を感じ、落胆するような悪い社会状況を継続してはならない。同氏は、彼らに未来を信じ、希望を感じることができるような環境を整えることが急務だ。」と語り、会議の意義を強調するとともに、参加者に積極的な参加を呼びかけました。

また、カトリック教会のカルロス・アギア・レテス枢機卿(=写真左)は、フランシスコ教皇がWCFに送ったメッセージを代読しました。この中でフランシスコ教皇は、住居や職を失った、紛争などによって危機に瀕している家庭を支援するように呼びかけました。枢機卿は教皇のメッセージを代読した後、若者が結婚や子育てがしやすい環境を整備すること(行政政策、財政支援、住居提供など)の重要性を訴えました。

3日間の会議では、全体総会や分科会セッションが行われ、世界各国から80人以上の専門家がそれぞれの知見や専門的視点から講演や発表をしました。主催者発表によると、会場には8000人以上が参加し、加えて2000人以上が国内外からオンラインで視聴。同国で過去最大規模の会議になりました。

各セッションでは参加者から活発に質問や意見が出され、家族の価値や意義を再認識する有意義な討論の場となりました。