第6回国連環境総会(UNEA-6)が2024年2月26日から3月1日までの5日間にわたって、ケニアの首都ナイロビにある国連環境計画(UNEP)本部で開催されました。総会には、182カ国の担当者や閣僚ら7000人以上が参加し、人類と自然の関わり方を再定義することを目的とした17の決議と閣僚宣言が採択されました。

UNEPは1972年6月、スウェーデンのストックホルムで開催した国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」および「環境国際行動計画」の実行機関として、同年の国連総会決議に基づいて設立されました。日本では1992年「国際環境技術センター(IETC)」が大阪に設置されました。2012年には、国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、UNEPの強化と人と自然の調和を取り戻すことを目的に、UNEAが設立されました。

5日間にわたって開催されたUNEA-6では、人工知能(AI)の利用から太陽工学技術に至るまで、多岐にわたる分野で議論が行われたほか、持続可能なライフスタイルの促進から、化学物質や廃棄物、砂嵐の健全な管理などの行動計画を採択しました。

また、UNEA-6は第1回多国間環境協定の日を主催し(2月28日)、気候変動対策へのAI活用など、最新の技術を用いた斬新な取り組みやこれまで困難とされてきた課題の解決に向けた可能性を検討する時間を持ちました。UNEPは持続可能なファッションのあり方を模索するNGOとも連携。環境にも利益をもたらす衣料や循環型ビジネスモデル拡大を目指すプロジェクトを紹介しました。

最終日には、UNEA-6国連事務次長でUNEPの事務局長のインガー・アンダーセン氏と国連副事務総長のアミーナ・モハメッド氏が総会の成果について振り返りました。

閣僚宣言の意義について述べたアンダーセン事務局長は、「世界は行動とスピード、そして真の持続的な変化を必要としている」とした上で、UNEA-6がその問題解決に影響を及ぼすだろうと今後の活動に期待を寄せました。

モハメッド国連副事務総長はビデオメッセージで、「世界は今、公害、生物多様性の喪失、気候変動の3つの危機に直面している」と強調。UNEA-6の活発な討議とその成果が、世界の共通課題の解決を加速させるだろうと述べ、「私たちが今日下す決断が、明日の私たちの運命を形づくる」と主張しました。

UNEA-6の活動の成果は今後、今年(2024年)9月に国連本部で開催される「サミット・オブ・ザ・フューチャー」など、持続可能性に向けた世界的な取り組みに反映される予定。