富山県平和大使協議会が富山市を提訴

UPF-Japanの付設組織である一般社団法人富山県平和大使協議会は8月1日、富山市を提訴しました。昨年8月、藤井裕久市長が記者会見で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と富山県平和大使協議会など友好団体に対し、「今後は一切かかわりを持たない」と発言したことや、同年9月に富山市議会が可決した家庭連合と友好団体との関係を断絶する決議によって、同協議会などの社会的信頼が貶められ、名誉が傷つけられたとして、市に2200万円の損害賠償を求めたものです。

富山地裁に訴状を提出後、同協議会の鴨野守代表理事が記者会見を行いました。会見には、富山市議会の決議によって、信教の自由と同市議会に対する請願権を侵害され、信教を理由とする差別的取扱いを受けたとして、昨年12月に同市を訴えた同市在住の家庭連合信者、安田慎(まこと)さん(仮名)も同席しました。

会見で鴨野氏は、自らの思いを文書にして読み上げました。

その中で鴨野氏は、今日までの同協議会の活動について、「地域社会にとって少しでも明るい話題を提供し、地域の人々が希望をもって生活できるように」努力してきたと振り返り、藤井市長や同市の議員をはじめ地域の各界関係者からも共感と協力を得てきたと強調しました。しかし、安倍晋三元首相の事件以降は状況が一変。明確な根拠も証拠も提示されないままに「反社会的団体」「反日団体」のレッテル張りをするマスコミの報道を鵜呑みにして、同市の市長、議員などがなんの調査も審議もないままに、次々と関係断絶を決めたことに対し、鴨野氏は「決議した『関係断絶』という選択が今も正しいと心から信じておられるのでしょうか」と訴えました。

さらに、鴨野氏は事件以降広がっている「宗教ヘイト」の問題についても言及。「私自身はこの一年間の騒動の渦中にありながら、社会に潜む新興宗教に対する差別感情、侮蔑感情を肌身に強く感じました」と述べ、「この度の提訴が、新興宗教に対する差別や偏見をなくす一助となるだけでなく、信仰や宗教を持つ人たちが尊重される日本社会となる契機にしてもらいたい。また、異なる意見や信念、信条を持つ人たちが差別されることなく、異なる価値観を持つ者同士が仲良く快適に共存できる社会になるための新たな一歩を刻む裁判となることを強く願っております」と結びました。