国際労働機関(ILO)は4月29日、新型コロナウイルスの影響で、世界の労働者の約半数にあたる16億人が生計を失う危機にさらされているとの報告書をまとめました。外出制限などで労働市場で立場の弱い「非公式経済」の就業者の収入が大きく落ち込むこととなります。放置すれば経済への打撃だけでなく、社会不安にもつながりかねません。

ILOの発表によると、今年から3カ月間の全世界の総就労時間は、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の去年10月から12月までの期間と比べて10.5%減少すると予測されています。フルタイム労働者に換算すると、3億5000万人が職を失うのと同じ計算になるということです。

ILOは5月7日、就労時間が6.7%減少するとの推計を出していましたが、各国で導入されている外出禁止措置や店舗閉鎖が長引いていることを受け、予測を大幅に下方修正しました。

地域別では南北米大陸で12.4%、欧州と中央アジアで11.8%、アジア太平洋地域で10%、就労時間が減少する見通しだとしています。

ライダー事務局長は「パンデミック(世界的な大流行)と雇用危機が進展するにつれ、緊急に最も脆弱な人々を保護する必要性が増している」と話しています。