国連の社会開発委員会(CSoD)(※)では今年度、「ホームレス問題解決のための住宅事情の改善と社会的保護システム」を年間スローガンに掲げ、さまざまな取り組みを行っています。

その一環として2月13日、米国ニューヨークの国連本部で「国連経済社会局・包括的社会開発部会」(DISD/DESA)、UNウィメン、家族に関するNGO委員会などの共催で「ホームレス家族:予防と解決策」をテーマとしたサイドイベントを開催され、UPFからも関係するスタッフが参加しました。

国連経済社会理事会(ECOSOC)の総合協議資格を有するNGOであるUPFも、世界各国の支部で結婚と家庭の重要性を訴えるプログラムを展開しており、国連の家族に関するアジェンダを扱う各部局と緊密に連携を図り、日頃から国連の活動を積極的にサポートしています。

DISD/DESAディレクターのダニエラ・バス氏の司会で行われたこの日のイベントでは、最初にデラウェア大学のバヒラ・トラスク教授が「家庭と住居の確保」をテーマに発題しました。

トラスク教授は住居環境の劣悪化と、家族単位でホームレス化が進んでいる世界の実情に触れながら、家族の置かれた危機的状況を訴えました。貧困による栄養失調によって健康が害され子供の健全育成が阻害されるなど、家族が多くの困難を抱えるだけでなく、ホームレスの増加で治安が悪化するなどの問題が明らかにされました。

その上で、トラスク教授はこうした環境がもたらす「負のスパイラル」によって、家族がホームレス生活から抜け出せないでいると指摘。こうした課題を改善するため、住環境を確保し、家計を安定させる方策についても言及しました。

また、児童虐待を受けた子供やホームレスの少年などの保護や自立支援活動を行っている米国最大の民間の被害者支援団体「セイフ・ホリデー」のシニアディレクターであるシャネグア・ホリデー氏が事例を報告。「活動を通して、危機的な状況に置かれた被害者が自信を取り戻している」と成果を強調する一方、ホームレスについて触れ、「売春や性犯罪の温床になっている」と指摘。これに対するプロジェクトとして、女性に対する職業訓練を行っていると説明しました。

同じく国連NGO「UNAMIMA」のエグゼクティブ・アシスタントのモリー・ゲルケ氏は国連に対して行っている、女性、子供、避難民、ホームレス、難民、移住者に関する調査や提言の内容について報告し、「貧困やホームレスに陥っている人々が、負のスパイラルから抜け出すことのできる重要な鍵を握るのは家庭環境だ」と述べ、健全な家庭づくりが問題解決に不可欠であることを強調しました。

※国連社会開発委員会(Commission for Social Development)
ECOSOCのもとで社会開発問題をとり上げる主要な政府間機関。46カ国で構成され、社会政策や開発の社会的側面についてECOSOCと政府に助言を与える。